仙台カウンセリング

不安神経症・強迫性障害について
本来、不安や恐怖といった感情は、自分を危険から守るために本能的に備わった能力であり、そのために日常生活に大きく支障をきたすことは少ないとされます。しかし不安障害によって感情のバランスが崩れてしまうと、仕事ができなくなったり、家事ができなくなったり、人間関係もうまくいかなくなって自宅から出られなくなってしまうのです。

・社会不安障害
人から注目を浴びるかもしれない状況で、失敗するかもしれない・批判されるかもしれないと恐れること
よく起こる場所:会議や朝礼での発表、上司との会話、人前での食事

・全般性不安障害
すべてのことに不安や恐怖を感じ生活に支障がある
良く起こる症状: 家から出るのがおっくう、眠れないなど

・限局性恐怖症
特定の状況下になると過剰に恐怖を感じる
良く起こる場所:狭い場所、電車や車など、高所や美容院や歯科など

・強迫性障害
一度頭に浮かんでしまうと払いのけられない考え(強迫観念)や行為(強迫行為)
良く起こる症状など:手洗い・誰かに危害を加えたかもしれない不安、スイッチや鍵などの確認行為
※「強迫性障害」についてはこちらのページもご参照ください

・パニック障害
過呼吸や動機などの発作を急激に招くもの
良く起こる症状:息切れ・動機・過呼吸・しびれ・めまい・発汗など


全般性不安障害(不安神経症)とは?
全般性不安障害は、毎日の生活の中で漠然とした不安や心配を慢性的に持ち続ける病気です。
ただ心配しているだけなら良いのですが、つきることない不安と心配のために徐々に身体症状や精神症状が表れるようになり、不安が悪循環していきます。そして少しずつ、日常生活をこなすことが困難になってしまいます。
日々過ごす日常の中では、様々な心配や不安は当然誰にでも起こります。
• 「志望校の合否判定がギリギリ…落ちてしまうのではないか」
• 「怒りっぽいと社内でも評判の人が上司になった…怒られてしまう」
• 「新しい部署に異動してきた…うまく馴染めるか不安」
こういった不安や心配には、明確な理由や根拠があります。
しかし全般性不安障害では、特に大きな理由や根拠もなくなぜか身の回りのすべてのことが不安材料になってしまうのです。そして多くの場合、いつから病気がはじまったのか本人もわかりません。
パニック障害や社交不安障害は、苦手な状況がハッキリしています。しかし全般性不安障害では不安を感じる範囲は非常に広く、日常に起きる生活のすべてになります。
全くあり得ないようなことを心配しているのならば周りも病気と思うでしょうが、不安が日常生活に散らばっていることから、「他のひとよりも心配性」や「ちょっと神経質」と思い込んでしまい、病的な不安とは受け取られないのです。患者さん自身も、「自分は心配性な性格」と思っていることも少なくありません。
かつては全般性不安障害は、不安神経症と診断されていました。現在でも病名として使われることがありますが、正式な診断名ではありません。かつて不安神経症と診断されていた患者さんは、全般性不安障害に当てはまる患者さんが多いです。

全般性不安障害と心配性の違い
それでは全般性不安障害と、心配性や神経質は一体何が違うのでしょうか。この違いは、「治療対象になる不安なのかどうか」ということになります。
例えば洗濯物を干すとき、雨や風を心配するのはだれにでもあります。しかし、ベランダに飛行機が落ちてきたらどうしようと思うなら、明らかに過剰な心配です。
他に例を挙げますと、
• 遠い土地での地震で自分が住んでいる地域に影響が及ぶわけないのに、地震に巻き込まれたらどうしようと思い悩む
• 非常に稀な病気に、自分は罹ったらどうしようと心配する
• 家族も健康で特に心配するような要素などないのに、家族がトラブルに巻き込まれるような不安を感じてしまう
などがあります。程度が軽ければ誰にでもでも起こりうるものですが、強く慢性的になって心身の健康に支障をともなうようになると、病的な不安といえます。
このように全般性不安障害では、心配性や神経質といった性格の傾向を超えた過剰な心配や不安が認められます。その違いは、大きく3つのポイントがあります。
• 本人が苦しみ悩んでいたり、生活に影響があるのか
• 行動面に大きな影響があるか
• 精神症状や身体症状が目立つか

大きな理由や根拠もないのに悲観的な心配をしているのですから、当然本人は苦しみを感じているでしょう。心配が原因で外出がままならなくなったり、家事や仕事、学業が手につかないようでは行動面に影響が出ているといえましょう。
本人の自覚がないようでも、心配事をさけるために活動が狭まり、不安を打ち消すための準備に必要以上の時間がかかってるなどをしていては、一見すると普通に生活しているようにみえても、行動に大きな影響を及ぼしている状態です。
また心配性や神経質で、身体症状や精神症状といった症状はおきません。全般性不安障害では、様々な精神症状や身体症状が生じます。


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